当医療事業部に所属している弁護士が実際に解決した医療過誤案件の解決事例です

抗凝固療薬を常用する心房細動患者が、不適切に長い休薬期間を設けて臨んだ大腸ポリープの摘除手術数時間後、脳梗塞を発症し死亡したことにつき、990万円の損害賠償を認容した事例

抗凝固療薬を常用する心房細動患者が、不適切に長い休薬期間を設けて臨んだ大腸ポリープの摘除手術数時間後、脳梗塞を発症し死亡したことにつき、990万円の損害賠償を認容した事例

事案の概要

 

抗凝固療薬(DOAC(リバーロキサバン))を常用する心房細動患者が、定期健康診断を契機に発見された大腸ポリープを摘除することとなり、循環器科医の意見に基づきEMR実施の1週間前から休薬したうえで同手術に臨んだところ、切除自体は成功したものの、数時間後に脳梗塞を発症し死亡した事案です。

 

弁護士の方針・対応

 

患者が死に至った一連の経過に関して、医学的見地および法的見地から調査を行いました。その結果、相手方医師は、塞栓症発生の危険性に鑑みてリバーロキサバンの休薬期間を24〜48時間とするべきであるとの意見を供する注意義務を負っており、仮に、相手方医師が同義務を履行していたとすれば、患者が脳梗塞により死亡することはなかったと判断しました。これにより、不法行為または診療契約の債務不履行を理由として、相手方らへ訴訟提起を行いました。
訴訟の中では、注意義務違反、因果関係、損害の3点が争われ、尋問や鑑定が実施されました。

 

結果

 

本件ではカンファレンス鑑定が行われ、医師の鑑定人が3名選ばれました。しかし、鑑定の結果は、3名とも病院側に過失なしという鑑定意見がでました。通常なら、鑑定人が3人とも同意見で消極意見であればあきらめてしまうところですが、そこから、再度資料や医療文献を読み込み、鑑定人の意見内容に対し、詳細な反論を行いました。その結果、過失に関しては当方の意見が採用され、鑑定意見と異なる判決を得ることができました。(990万円)
本訴訟では、医師が判断する有責・無責の判断と法的な有責・無責の判断が異なることが如実にわかる事案だと考えられます。

 

なお、この事案の裁判例(東京地裁令和元年9月12日判決)は、当弁護士法人所属の金ア浩之弁護士が、「医療判例解説2020年4月号」(医事法令社)で詳しく解説しているので、興味がある方はそちらを参照してください。

 

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