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  第3回 / アシドーシスとアルカローシス  
     

1 酸塩基平衡障害

さて、前回「血清pHとカリウムの関係」について書きましたが、今回はもう少し酸塩基平衡の基本的なことを書いてみたいと思います。
血清pHは、以前にも書きましたが7.4に維持されていて、これが正常値(基準値)になります。そして、この値が小さくなると、血液が酸性になっていることを意味し、これをアシドーシスと言います。逆にこの値が大きくなると、血液がアルカリ性になっていくことを意味し、これをアルカローシスと言います。

ところで、このアシドーシス・アルカローシスに影響を与える因子には、呼吸性因子と代謝性因子があり、呼吸性因子が原因となって酸塩基平衡障害を起こす場合を、それぞれ呼吸性アシドーシス・呼吸性アルカローシスといい、代謝性因子が原因となっている場合を、代謝性アシドーシス・代謝性アルカローシスと言います。

したがって、酸塩基障害をマトリックスで整理すると、以下のような分類になります。

呼吸性アシドーシス    代謝性アシドーシス

呼吸性アルカローシス   代謝性アルカローシス

さて、このように4つに分類できますが、実際には、このうちのいくつかが合併する場合が臨床現場では多いそうです(混合性酸塩基障害)。

2 代償作用

もっとも、生体はよくできていて、これらの酸塩基平衡障害に対しては、これを正常に戻そうとして代償作用が働きます。
例えば、代謝性アシドーシスになってしまった場合、呼吸因子が働いて呼吸性アルカローシスになっていく。具体的には、呼吸による二酸化炭素の排出量が増えるわけです。そうすると、前者によって血清pHが酸化していくところを、後者がアルカリ性に引き戻そうとするわけです。このようにして、血清pHが正常値から大きく乖離しないようにコントロールされているわけです。

う~ん、実にうまくできているなあ、と感心するんですが、でも逆に言えば酸塩基平衡障害が実態よりも過小評価されてしまい、その結果、酸塩平衡障害を招いている基礎疾患も見落とす危険があります。例えば、代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスが時期を同じくして発症した場合ですね。この場合、混合型の酸塩基障害なのか、代償作用の結果なのかは、pHだけ見て判断するのは危険です。

ところで、呼吸性因子による酸塩基平衡の調整は、文字通り呼吸を通じて行われますので、その代償作用も迅速に行われますが、代謝性因子は腎臓を介して行われるためにその代償作用には時間がかかると言われています。
 
         
       
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