こちらは患者さんの為の医療講座「第1回 / MRSAと医療事故」のページです
皆さん、感度・特異度という言葉の意味、ちゃんと理解してますか?
医療過誤に関する医学文献を読んでいると、頻繁に目にする言葉ですが、頭の中は混乱してませんか、大丈夫ですか?
この言葉は、必ず理解してください。そして、正確に理解してください。
1)感度の良い検査とは、
「癌の人を、正しく”癌である”と診断することができる」可能性が高い。
逆に言えば、
「癌の人を、誤って”癌ではない”と誤診してしまう」可能性(偽陰性率)が低い。
検査を意味します。
2)特異度が良い検査とは、
「癌ではない人を、正しく”癌ではない”と診断することができる」可能性が高い。
逆に言えば、
「癌ではない人を、誤って”癌である”と誤診してしまう」可能性(偽陽性率)が低い。
検査を意味します。
3)整理すると、
感度とは、如何にして、「病人を見つけ出すか」、という問題であり、
特異度とは、如何にして、「健康な人を除外できるか」、という問題です。
なぜ、感度、特異度をちゃんと理解する必要があるかというと、多くの検査では、この両者の間にtrade-offの
関係が成り立つ傾向があるからです。
すなわち、感度が良い検査は、特異度が悪く、
特異度が良い検査は、感度が悪い。
この両方が優れている検査は少ない。
ということになります。厄介ですね。
だから、様々な検査を行って総合的に診断することが重要になるんです。