前立腺全摘出術後の出血性ショックが原因で死亡した事案で2900万円の賠償金で和解が成立した事例

事案の概要

 

相談者(患者の遺族)は、患者が出血性ショックを生じ、1ヶ月ほど遷延してから多臓器不全により死亡したことを受けて、弊所にご相談くださいました。患者は、前立腺全摘出術後の腹壁瘢痕ヘルニアに対するPCOメッシュによる修復術を受けましたが、創感染を生じました。そこで、医師がデブリードマン・皮弁形成術を行ったところ、同術後に左浅下腹壁動脈からの出血により死亡した、という事案でした。

 

弁護士の方針・対応

 

この事案においては、弊所が関与する前に、依頼者がご自身で病院側に働きかけたところ、病院側代理人からは賠償金を支払わない旨の回答が返ってきました。そこで依頼者は、前任の弁護士に調査を依頼しましたが、訴訟等には消極的でした。そこで、弊所が依頼を受任し、任意開示により医療記録を入手して、これをもとに調査した結果、十分に勝機があると考えられたため、訴訟による受任に至りました。
ただし、訴訟を行うことを前提に、訴訟における主張立証と同程度の書面を相手方に送付したところ、相手方が交渉に応じてきたので、結果的には訴訟を行うことなく、交渉で解決しました。

 

結果

 

患者が死亡に至った機序と、相手方の対応の問題点を詳細に指摘したところ、責任を認めさせることに成功し、2000万円の賠償金を支払う旨の回答がありました。しかし、増額を図るために、相手方代理人と粘り強く交渉したところ、2900万円の賠償金を支払う旨の訴外交渉による和解が成立しました。
敵にダメだといわれ、味方(前任の弁護士)にもダメといわれてにもかかわらず、十分な賠償を得られた事案であり、弁護士の実力の差がいかんなく発揮されたことが分かる事案となります。

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