こちらは解決事例「前立腺生検の翌日から38℃の高熱を発した患者を退院させ、敗血症性ショックにより患者を死亡させたことについて、4240万円で訴訟上の和解が成立した事例」のページです。
大腸癌手術のため入院していた患者が、腫瘤によるイレウスを発症したが、腸管の減圧は行われず、そのため腸管の鬱血、虚血、細菌増殖が進行して腸管の穿孔(およびバクテリアル・トランスロケーション)にまで至り、敗血症性ショックにより死亡したという一連の事実経過に関して、相手方病院へ損害賠償等を求めた事案です。
任意開示によって相手方病院より医療記録を入手し、医学的見地および法的見地から調査した結果、相手方病院の対応には過失があるものと判断しました。
訴外で病院側に説明を求めたところ、相手方に代理人が就き回答がありましたが、300万円と極めて低額な解決金の提示であり到底納得できるものではありませんでした。
交渉では、相手方病院の医師が、当時の診療行為において負っていた適切な注意義務を果たしていれば、患者が死亡することはなかったことを重厚かつ詳密に、主張だけでも24頁にもわたる書面を相手方に送りました。
交渉を進めていくうえで、相手方より解決金の増額の提案が一定程度ありましたが、依頼者の納得できる金額には至りませんでした。相手方が一定の譲歩を見せている場合、訴訟での敗訴リスクを考え、どこまで押すべきか悩みましたが、依頼者と協議を繰り返し、裁判になっても構わないから強気で交渉してもらいたいと、依頼者から背中を押していただくことができました。
その結果、こちらが送り付けた重厚かつ詳密な主張書面の効果も相まって、訴外の交渉で1500万円の和解を成立させることに成功しました。