こちらは解決事例「脳動脈瘤の見落としにより脳動脈瘤が破裂し、くも膜下出血を発症して死亡した患者について、交渉で示談金を2100万円増額させることに成功した事例」のページです。
患者は、僧帽弁機械弁置換術を受け、抗凝固薬ワルファリンカリウムによる凝固能管理を受けていました。患者が皮膚疾患の治療のために相手方病院の皮膚科を受診して、セフェム系抗菌薬等の投与を受けたところ、PT-INRが異常高値(9.51)を示した9日後に脳出血を発症し、常時介護を要する状態になってしまいました。そこで、相談者(患者の家族)は、弊所にご相談くださいました。
任意開示により医療記録を入手して調査した結果、医師が凝固脳を適切に管理する注意義務を果たしていれば、脳出血にを起こすことなく常時介護を有する現状に陥ることはなかったのではないかという結論に達したため、相手方に損害賠償請求の通知書を送付し、訴外交渉を行いました。相手方には、民事訴訟へ進展すれば敗訴するリスクを認識させることができるだけの詳密な訴外交渉文書を送付し、およそ2年もの期間にわたって交渉を行いました。また、関係者の理解や協力を得るために、様々な調整も行いました。
訴外交渉による和解が成立し、9500万円の損害賠償金を獲得するとともに、患者が費用の負担なく医療・看護・介護を終生受ける権利(2500万円以上の金銭的価値のある権利)を獲得することに成功しました。