こちらは解決事例「BMI50弱の患者に対して経皮的肝生検を実施したところ、脳空気塞栓が起き、片麻痺となったことについて、訴訟上の和解が成立し、遅延損害金や訴訟費用を合わせて約1億5000万円の経済的利益を確保した事例」のページです。
イレウス治療のために入院していた患者が、ビタミンB1を含まない輸液を継続されたことでウェルニッケ脳症を発症し、遷延した後に肺炎により死亡したという事案です。病院側の責任を追及するため、患者の遺族が弊所にご相談くださいました。
任意開示によって入手した医療記録から、病院側は有責であるとの判断に至りました。これまでの病院側の態度から、訴訟を行わずして交渉で解決を図ることは困難であると予想されたため、訴訟を提起することにしました。
一連の治療行為の中で、患者の治療にあたった医師が、イレウス治療のため絶食として静脈栄養に切り替えた後に、ビタミンB1を投与するべき注意義務があるにもかかわらず、それを怠ったことを中心に、主張立証活動を行いました。
ウェルニッケ脳症は、今となっては珍しい疾患であり、調査は難航しました。しかし、古い文献等を読みあさり、丹念に調べて訴訟に臨んだことで、相手方から提出された、脳神経外科医の意見書等の証拠に対して適切に反論していくことができました。その結果、提訴してから約1年8ヶ月を経て、訴訟上の和解が成立し、損害賠償金300万円を得ることに成功しました。