当医療事業部に所属している弁護士が実際に解決した医療過誤案件の解決事例です

BMI50弱の患者に対して経皮的肝生検を実施したところ、脳空気塞栓が起き、片麻痺となったことについて、訴訟上の和解が成立し、遅延損害金や訴訟費用を合わせて約1億5000万円の経済的利益を確保した事例

BMI50弱の患者に対して経皮的肝生検を実施したところ、脳空気塞栓が起き、片麻痺となったことについて、訴訟上の和解が成立し、遅延損害金や訴訟費用を合わせて約1億5000万円の経済的利益を確保した事例

事案の概要

 

胃静脈瘤ないし胃腎シャントが肝硬変によるものであるか、それ以外によるものであるかを鑑別するため、患者はエコーガイド下に経皮的肝生検を受けました。生検中に、脳空気塞栓が起き、片麻痺となりました。なお、患者のBMIは50弱でした。

 

弁護士の方針・対応

 

平成28年11月某日、初回法律相談。

 

平成28年11月某日、訴外交渉契約締結(調査を含む。)。

 

調査・交渉段階において、肝臓内科医に意見を求めたところ、その意見は、肝生検時の脳空気塞栓は経験したことがない、本件では肝生検時の超音波像が残されておらず判断が難しいというものでした。

 

そうは言っても、肝生検時脳空気塞栓という通常起きない事象が起きていること、患者は高度の肥満(BMI約50)であること、これらのゆえに穿刺時の超音波像が不良であったと強く疑われること、結果が重大であることなどから、文献を渉猟したうえ、予定どおり、催告をすることとしました。

 

平成29年5月某日付内容証明郵便にて催告しましたが、案の定、相手方は、担当医が無責の見解であり、請求額も大きいことなどから、訴外交渉での妥結は困難であるとの見解を示しました。

 

これを受け、訴訟契約を締結し、平成29年9月6日付訴状にて東京地裁に提訴しました。

 

尋問は行われました(原告本人、原告夫、被告補助参加人(担当医師)、担当看護師、担当技師)。鑑定は、裁判所が必要性なしとの見解を示し、行われませんでした。

 

相談から3年2か月、提訴から2年4か月をそれぞれ経た令和2年1月23日、一審判決が言い渡されました。

 

判決言渡しまでに18回の訴訟期日が設けられました。

 

主張書面は計98頁を起案し、証拠は枝番を除いても計58号証を提出しました。

 

結果

 

東京地方裁判所民事第14部令和2年1月23日判決(一部認容、確定)
(https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/291/089291_hanrei.pdf
ウエストロー・ジャパン2020WLJPCA01239004)。

 

確保した経済的利益は1億5131万9501円でした(内訳は、認容額1億3019万0425円、遅延損害金2063万1562円、訴訟費用額49万7514円でした。)。

 

医事法令社「医療判例解説第86号」
(https://www.izi-hourei.jp/kaku_shoseki/iryou_2020_06.htm)に解説記事が収載されています。

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